カビを理解する
生活の中で必ず関わらなければならない菌、それは”カビ菌”。彼らはどこにでも存在し、住み心地が良い場所を見つけると増殖していきます。カビは食品・医療品など生活を豊かにするために様々なことに利用されていますが、
種類によっては衛生的に人体に悪影響を及ぼし、感染症・アレルギーなど決して良いカビだけではありません。
特に”住まい”のカビは同じ屋根の下で同じ空気中に常にいることになりますので対策が必要不可欠です。
結論
カビの生態系をよく理解し、カビにとって住み心地の悪い環境を整える。これ一択。
カビとは?
”細菌”、”ウイルス”と同じ微生物の仲間で”真菌類”に分類され、糸状構造で”糸状菌”とも呼ばれます。構造としては人間と同じで細胞核を持ち、細胞内には核とミトコンドリアがあります。
カビは世界で約3万種類も確認されていて、住まいに満遍なく棲息しているのです。
カビの生育環境
①温度
5℃〜45℃の間で徐々に増殖します。最適温度は20℃前後のために人間の住みやすい温度と一致します。
②湿度
60%を超えると発育します。
③pH
カビはpH4〜6の間でよく発育しますので弱酸性が好みです。
④栄養
食品はもちろんのこと、髪の毛やホコリなど掃除を怠った場合に落ちているものでも栄養とします。
住宅で見るカビ
アカカビ
アカカビは人体に有毒なカビ毒を生産します。中毒症状、免疫不全など毒性が強い。また植物病原菌であり、様々な野菜を枯らしてしまう非常に有害なカビです。消費期限を過ぎたパンなどに発生しますので注意が必要です。
アオカビ
最も馴染みあるカビで空気中に常に浮遊しています。毒性はありませんが、有毒な”アカカビ”も生えている可能性が高いです。
抗生物質の原料”ペニシリン”を含んでおり、非常に有益なカビです。
ツチアオカビ
緑色のカビで、木材などに付着し増殖します。これらは木材の劣化、腐敗させる住宅業界では非常に厄介なカビです。木造住宅ではこのカビを発育させないようにさせることが重要です。
クロカビ
クロカビも空気中に浮遊している菌です。結露する場所=空気の流れがない場所に発生しますので浴室などでよく見ることができるでしょう。
有益なカビ
食文化では非常に重要で有益な存在です。日本酒や味噌、醤油、塩麹など、これら発酵食品では”コウジキン”と呼ばれるカビを活用して作られます。
チーズにしても同様です。シロカビで覆った”カマンベール”、アオカビで覆った”ブルーチーズ”など美味しくするための重要な”スパイス”です。
※これらの菌は、現在では食品用のカビで生産されているものです。家庭に出たカビで作るのはやめましょう。
有害なカビ
有毒なカビとは”毒性を持つカビ”です。人体に有毒な”カビ毒”は熱に強く、煮沸したとしても消えません。
住宅に生えるカビは浴室のクロカビ、木材のツチアオカビなど様々存在しますが、目に見える場所であるからこそ対策が可能です。
例えば天井裏に湿気が溜まるお家だったらどうでしょうか?原因がわからずアレルギー、喘息を発症するかもしれません。難しい問題ですが、これらを対策するには”必要な換気経路”、”その他カビが蔓延らないよう”施工しなければなりませんから、しっかりと施工会社に聞くことが重要です。
対応策
定期的な掃除を行う
ホコリ、髪の毛、食べカスなどを栄養素として増殖します。その栄養源を断つことが重要です。
家全体を綺麗に保つことで精神的にも良好になりますし、家の状況を知ることにもなりますので非常に効果的です。
換気を行う
現代の住宅では24時間換気が義務化されていますが、タンスの隙間など隅々までは換気を行えていないのが現状です。定期的な掃除をするとともに空気が流れない空間を作らないように対策しましょう。
また、寒い・電気代がかかるなどの理由から換気システム自体をオフにしてしまう方もおられます。
やめましょう。
まとめ
冒頭で話したように、”カビにとって住み心地の悪い環境を整える”ことです。
これにはまず、住宅の温度、湿度を一定にさせる、必要量の換気を行う、空気の流れが無い場所を作らないなどの対策が必要です。
それには新築時にこれらのことを重要視して建てましょう。