夢のマイホーム。外装・内装だけではなく、お庭にも手を入れたいところ。芝生を敷き詰めて寝転がっても良いですし、お子さんがいる方であればビニールプールを置いて水浴び、おしゃれなウッドデッキの上でバーベキューもいいですね。
しかし、いくらやりたいことを詰め込んでも、この空間にプライベートはありません
ではどうすれば良いのでしょうか。
結論、主な方法は3種類。
- 塀を造る
- フェンスを設置する
- 生垣をつくる
その1 塀
塀は”外構建築物”です。分類的には建物と同じ扱いとなります。
”塀”は基本的に二種類の造り方があります。
型枠で形を作りコンクリートで形成した”コンクリート塀”、そしてブロックを積み上げた”ブロック塀”です。
コンクリート塀
”Simple is best”といったところでしょうか。上塗り材などを使用しない写真のような”打ちっぱなし”の塀をよく見るかと思います。”ブロック塀”とは違い、現場で枠を作って生コンを流し込むために形の自由度が非常に高く、湾曲させたり思い通りのデザインにすることが可能。タイル・ガラスブロックなど他の素材との組み合わせることもできるところもポイントが高いです。スタイリッシュな見た目も兼ね備え高級感もあるため最も人気。
構造的には建物を作る際の鉄筋コンクリート造と全く同じです。
メリット
- 強度がとれる
- 自由な形にできる
- 他の素材と相性が良い
- スタイリッシュ
デメリット
- 汚れが目立ちやすい
- 施工業者の腕によりけり
- コーティングが必要
Point
どのような材料でも劣化します。たとえ頑丈なコンクリートでも、もちろん劣化します。
ですから表面の仕上げに雨染みを防ぐ”撥水材”、ひび割れを目立たなくする”弾性塗料”などを施工しましょう。
コンクリートは必ずひび割れが発生します。一番初めに目に入る部分ですから長く形状を保つためにはどうすれば良いか、初めのうちから対策しておくことが肝心。
木枠と金枠
コンクリート塀を造るためにはまず”枠組み”が必要です。このように枠を組んでその間に生コンクリートを流し込み形を成形していきます。”木枠”と”金枠”の二種類がありますが構造的にはほぼ同じです。生コンクリートが流れ出ないように左右に壁を作り、右と左を繋ぎ止め型枠の崩壊を抑えます。
結論として双方で仕上がりが違います。
木枠ではこのように”穴”ができます。これは枠組みをする際にコンクリートの膨張で木枠が崩壊しないように中間部分にセパレーターと呼ばれる部品で左右を繋ぎ止めるのですが、その部品の”跡”です。したがって、金枠で作られた塀にこの穴はありません。
金枠は高さの規格が予め決まっているので塀の高さにもよりますが、細かい高さ調整はできない場合もあります。湾曲したモノやデザイン性に富んだモノ。これらは”木枠で施工しなければなりません。仕上がりは穴のないツルっとしたモノなります。
余談 Pコン
木枠の説明で”穴”の話をしました。正確には合板を繋ぎ止める際にセパレーターに付く部品の跡です。コンクリートの収縮を防ぎ型枠の形が崩れないようにする重要な部品です。
コンクリートを流し込み、型枠を解体した後、最終的にはPコンを取り外し、穴をモルタルで埋めます。
あれはデザインではなく構造と仕上がりのために無くてはならないものなのです。
※Pコン=プラスチックコーン
ブロック塀
まずコンクリートブロックとは、工場でコンクリートを成形加工した穴空きブロックのことです。そのコンクリートブロックを積み重ねて塀を築くことでブロック塀となります。
コンクリートブロックは種類が多く、無地のコンクリートブロックから始まり、表面に特殊な模様を加工した化粧ブロックなど幅広いバリエーションがあります。
メリット
- 様々な種類の化粧ブロックが魅力
- コンクリート塀よりはコスト減
- コンクリート塀ほど形状に自由がない
デメリット
- 定期的なメンテナンスが必要
Point
ブロック塀はただ積み重ねているのではなく、安全性を確保するためにコンクリートブロックの間に鉄筋を通してセメントと水、砂を混ぜたモルタルを充填しています。
ブロック塀とはいえ、土の上にそのまま乗せていくのではなくコンクリートでしっかりとした基礎を造り、その上に積み重ねて固定していきます。塗装、タイル貼りなど様々に分岐した仕上げにすることが可能です。
注意事項
地震などによる塀の倒壊事故はよくニュースで目にします。一般的に塀を建設する場所は、道路と敷地の境界付近になるはずですから重大事故に繋がりやすいのです。ブロック塀が倒壊して被害者が出た場合には賠償責任が発生しますので日々の点検・管理を徹底しなければなりません。高さ1m×長さ2mの塀の重さは500kg前後にもなります。決して人間の力で支えきれるものではなく下敷きになったら命に関わります。
建築基準法による塀
- 建築物とは、”床面積”が発生するかどうかで決まります。したがって、そもそも床面積が無い”塀”は建築確認の必要がありません。ただし、新築の家を建てる際に同時期に塀も建設するのであれば配置図に明記する必要があります。また、防火指定区域であれば必ず建築確認申請に書類提出が必要です。
塀の高さは建築基準法によって制限があります。以下制限を超えたモノは基本的に造れません。
コンクリート塀
- 鉄筋の入っている強度の高い塀は2.2m以下
- 鉄筋が入ってなく強度の低い塀は1.2m以下
ブロック塀
- 高さ2.2m以下
- 高さ1.2mを超える場合は基礎35cm以上根入れ30 cm以上
その2 フェンス
フェンスは理想の目隠しです。
特異する点は豊富なデザイン。また前記した”塀”よりも安価で施工する事が可能なのも魅力的です。
地面に直接設置しても良し、ブロック等の上に設置しても良し、利便性も抜群です。
一言でフェンスといっても、デザインが豊富な”アルミフェンス”、耐久性が高い”樹脂フェンス”、オーソドックスな”木製フェンス”、大きく分けるとこの三種類です。もちろん各自でメリット・デメリットがありますのでよく見極めて設置したいところです。
フェンスは施工もバリエーション豊かです。地面から上が全てフェンスでも有りです。基本的な規格は高さ1mですが、フェンスの上にフェンスを乗せるなどして2mの高さを出すこともできます。3段ほどのブロック塀を造ってその上からフェンスでも良いですね。どうせならデザインにもこだわってみましょう。
アルミフェンス
最も普及している素材のフェンスでデザインが豊富です。アルミですから腐食や錆にも強く、その面では耐久性に定評があります。
しかし、衝撃には弱く傷がつきやすいために豪雪地域に設置は覚悟が必要です。
LIXLIL
- デザインが豊富
- 腐食・錆に強い
- 衝撃に弱い
F&F
- 耐久性抜群
- カラーが豊富
- メンテナンスフリー
- 見た目はオモチャ感
樹脂フェンス
木粉と樹脂を混ぜ合わせ成形した人工木です。
樹脂ですから耐久性に優れていて、腐食しません。傷にも強く、基本的にメンテナンスの必要は無し。カラーバリエーションが豊富なところもポイントが高いです。
木目調の商品も多数ありますが、ほぼ樹脂ですから”天然木”には程遠い見た目です。
木製フェンス
見た目は最も温かみのある素材です。大手メーカーは製品を出していませんので自分で材料を入手し、基本的にDIYで施工することになるかと思います。
天然木ならではの雰囲気にガーデニングにも力が入る事間違えなしですが、”木”ですから腐食、虫食いの対策・メンテナンスをしっかりと行わなければなりません。
施工する木材が非常に重要です。割高になろうともウリンなどの硬質木材を使用することをオススメします。
- 温かみはある
- 最も劣化が早い
- 比較して金額が高い
- メンテナンスが大変
- コスパ悪い