簡単に説明すると産業全体から見て住宅建築物のエネルギー消費量が著しく大きいために、
住宅の断熱性能の向上、地球環境問題の解決を図る基準となっています。
日本の省エネ基準は”昭和55年旧省エネ基準”から始まり、
現在では”建築物省エネ法”に改正され基準が設けられています。
この省エネ法に則り住まいを施工すると長期的にみて非常に大きなメリットがあります。
省エネ住宅のメリット
快適性
日本は四季を楽しめる分、夏の暑さ・冬の寒さが身に染みます。省エネ住宅にすることで住まいの快適性を保てます。また快適であることは健康にも直結します。
家計に優しい
省エネ住宅は高断熱で高効率な設備を設置することでエネルギーコストを最小限にすることができます。ランニングコストを抑えることで日々の生活にゆとりもできます。
建物に優しい
人間には欠かせない”住”です。何十年も共にし、私たちと同じように歳をとっていきます。省エネ住宅は私たちだけではなく”建物自体”にもメリットがあります。
フラット35
10年間のローン金利が優遇されます。これは省エネルギー対策等級4を満たしていなければそもそも受けることすらできません。
低炭素住宅
建築物の二酸化炭素を抑制するために設けられているもので住宅ローンの減税や登録免許税の引き下げ等が可能です。
長期最良住宅
長期に渡り良好な状態で使用するための構造、設備が講じられた住宅のことです。住宅ローンの減税や固定資産税の軽減が挙げられます。
省エネ住宅メリットだらけですね。
確かに初期コストはかかります。ただ必ず元は取れます。
これには”新築時に施工”をしておかなければ金利優遇や住宅ローンの減税ができません。
リフォーム時に施工することは可能ですが、目眩がするほどの金額になってしまうでしょう。
後悔しないためにも万全を期した対策を”新築時”に行うことを私はお勧めします。
住まいの熱損失
建物内の熱は毎時毎分失われてます。外側が冷やされることで熱は外周部全てから逃げてしまいます。熱が損失しないよう断熱材を屋根、壁に設置し、建物を覆う必要がありますね。
人間で言うとダウンジャケットを着るようなものです。
>>Point
最も逃げやすい場所は開口部で”玄関ドアと”窓”です。窓はその目的からダウンを着せる訳にはいきませんから、”熱貫流率の低いサッシ”をつけるなど対策することが重要です。
義務ではない省エネ基準
”建築物省エネ法”は必ず基準をクリアしなければならないといったものではありません。
一般的な住宅にあたる300㎡未満の小規模建築物の場合は”あくまで努力義務”。
欧米諸国では”省エネに関わる事項”は義務化されています。しかし、残念ながら日本はまだ義務化に踏み込めていません。
なんならガン無視して断熱材を全く施工しなくても法律上はお家を建てれます。
ただ、そんなお家を欲しい人いませんよね。
Check
「うちは高性能な断熱材を壁に入れてます!」
なーんてよくあるキャッチフレーズ。鵜呑みにしていませんか?
壁の断熱性能について少し込み入った話をしましょう。
高性能断熱材(例:ネオマフォーム等)を50mm厚
一般的断熱材(例:グラスウール等)を100mm厚
どちらの性能が上でしょうか?答えはグラスウール。
①どのような断熱材を
②どこの部分に
③何ミリ厚で
施工するのかをしっかり契約前に確認してください。
断熱材に必要なものは”厚み”です。
2021年4月より、”10㎡以上300㎡未満の住宅・建築物の新築・増改築”に当てはまる建物に関して
”建築士は設計する建物の省エネ性能を説明する義務”が法律で課せられました。
これにより施主様が理解しないまま施工するといったことがなくなります。
300㎡未満の住宅ですから、余程大きなお家出ない限りは一般住宅が当てはまりますね。
・300㎡未満の小規模住宅・建築物の設計に際して、建築士から建築主に対して、以下の内容について書面で説明を行うことが義務づけられます。
国土交通省
1.省エネ基準への適否
2.(省エネ基準に適合しない場合)省エネ性能確保のための措置